2012.10/7.

New York のラリック by ts

New Yorkのマンハッタン、五番街の高級ショッピング街のど真ん中に、Henri Bendelという百貨店があります。この百貨店は、1890年操業のコスメやアクセサリーやハンドバッグ、ドレスなどを主に扱う女性もの専門の老舗ですが、1990年にこの場所に引っ越してきました。このビルは実はフランスの香水商、コティー社のニューヨーク店でした。コティーといえば、ルネ・ラリックととても関わりのある会社です。創業者のフランソワ・コティーは宝飾作家であったルネ・ラリックにはじめて香水瓶の制作を依頼した人として知られています。このビルの3階から上のファサードにはルネ・ラリックが1912年に制作したガラスのウィンドーが今も残されています。

まず、ビルの全景をご覧ください。

真ん中の星条旗が両サイドにあるビルです。ちょうど旗のある3階部分から上のガラス窓に何やら唐草模様のものが見えますか??

もう少し、クローズアップしてみます。

3階から5階に伸びていく花の蔓のようです。

ビルの中に入ってもっと驚くべき事があります。実はこのウインドーのすぐ近くにまで行き、触れる事すらできるのです。

これは二階の吹き上げ部分からウインドーの全景を撮ったところです。三階の手すりが見えますが、そこまで行く事ができます。

3階まで上がり、間近で撮影です。

とても奇麗に手入れされているので、花や蔓のディテールも奇麗に見えます。

当時のガラス越しにNY名物のイエローキャブが見えるのが何とも言えないですね。

手で触れてみました。コティーの為にラリックが作ったガラスウィンドーがこうして今も生き続けていることにとても感動しました。

 

このビルがコティーのものだった1912年当時の写真がありましたので、最後にご紹介しておきます。

ウィンドーのガラスは透明じゃないように見えます。ひょっとしたらパチネのような彩色が施してあったのかもしれませんね。カラー写真がまだ存在しない時代だから想像するしかないのですが、それもまた面白いものです。 ts

 

 

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