スザンヌ・ラリック取り扱い開始しました
この度、新たに取り扱い作家のページを作成いたしました。
ぜひご覧くださいませ。
スザンヌ・ラリック Suzanne Lalique

1892年、ルネ・ラリックとオーギュスティーヌ=アリス・リュドルとの間に長女として生まれる。
父ルネ・ラリックのもとでデザインを学び、1913年に装飾美術家協会サロンに油絵を出品して画家としてのキャリアをスタートさせる。
絵画制作の他、セーブル製陶所からの依頼で絵付けを行ったり、豪華客船「パリ」のテキスタイルデザインを請け負うなど、デザイナーとして幅広く才能を開花させる。
ルネ・ラリックの作品モデルを務めたりと、当初からガラス制作にも大きく関わっており、彼女がデザインを手がけた作品が多数存在している。(花瓶「ソフォラ」「ラガマー」など)
リモージュの名窯テオドール・アビランド社の息子であり写真家のポール・アビランドとの結婚がきっかけとなり、1925年頃から1934年にかけて30種ほどアビランド社の食器の絵付けデザインを手がける。
1930年には幼少の頃より続けていた絵画の個展を開催。
1937年から1973年まで、フランス国立劇場「コメディー・フランセーズ」の舞台から衣装まで装飾デザインのディレクターを務める。
その後も90歳を過ぎるまで第一線で活躍し続けた。
1989年没。

スザンヌ・ラリック|テーブルウェア
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スザンヌ・ラリックがアビランド社にてデザインした器たち。
以前よりディスプレイや資料用として少しずつコレクションしてきましたが、作品数が増えてきましたので今回皆さまにご紹介する運びとなりました。
スザンヌがアビランド社で制作に携わっていたのは1925年~1934年の9年間。非常に短い期間のため生産数が少なく、アンティーク市場でもめったにお目にかかれない品です。おそらく国内では取り扱っているお店はほとんどないと思います。


「Mai」五月 1933年 ディナープレート
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「Voilier」帆船 1929年 デザートプレート
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アビランドの美しい磁器の上にかろやかなタッチで描かれたスザンヌの絵は、食卓にやさしい彩りを灯してくれます。
スザンヌ・ラリックのページでは、お皿をはじめ、ティーカップやティーセットなど、さまざまなデザインのアイテムを紹介しております。
お皿は数が揃うものは6枚セットで販売しておりますが、単品在庫もございますので1枚からでもお求めいただけます。
スザンヌ・ラリックはいったいどんな人物だったのでしょうか。
当時は女性が社会進出を始めたばかりの時代。
あまり表立って名前が出ることの少ないスザンヌ・ラリックですが、父ルネ・ラリックとの関係性から彼女の世界が少し見えてくるかもしれません。
スザンヌはまず最初に優れた画家であり、装飾デザイナーでした。
ルネ・ラリックは娘であるスザンヌにまず作品制作のアイディアを語り、彼女の意見を求めたと言います。
ラリック作品とスザンヌとの関りはとても深いものだったのです。


上 スザンヌ・ラリック「緑の枝と葡萄の房」
下 ルネ・ラリック「ベイーズ」
構成や黒の使い方などに共通点が見て取れます。

スザンヌ・ラリックによるデザインスケッチ
桜をモチーフにしており、ラリック作品にもよく似た造形がちょこちょこ登場していますね。
ルネ・ラリックが娘スザンヌのデッサンやスケッチから多くのインスピレーションを得て作品を制作していたことがうかがえます。
ラリックの晩年には、スザンヌがデザインを担当した作品も数多く存在しています。あの作品も!?これもスザンヌのデザインだったの!?なんてことも時々あります。


上 スザンヌ・ラリック デザイン画
下 ルネ・ラリック 香水瓶「真夜中」

上 スザンヌ・ラリック デザイン画
下 ルネ・ラリック「ラガマー」(左)「ニムロード」(右)
ルネ・ラリックにとって娘のスザンヌは大切な家族であり芸術のパートナーでもあったのでしょう。
ルネ・ラリックが愛した妻アリスは早くに病でこの世を去っています。
アリスが亡くなったとき娘スザンヌはまだ17歳でした。
ルネ・ラリックが香水瓶の制作をきっかけにジュエリー作家からガラス工芸家へと転身していくのはちょうどその頃からになります。
香水瓶や化粧道具、花器など、女性の為に多くの作品を制作したルネ・ラリック。
彼を陰ながら支えていたのは娘のスザンヌであったのかもしれませんね。
ルネ・ラリックはスザンヌをモデルにした作品も制作しています。

ルネ・ラリック 立像「スザンヌ」
そしてスザンヌもまた、父であるルネ・ラリックを描いています。

スザンヌ・ラリック「ルネ・ラリック(仕事机にて)」(油彩)
幼少のころから絵画に取り組んでいたスザンヌは画家としても才能を発揮していました。
デザイナーとしての仕事をこなしながら個展を開催するなど、精力的に油絵制作もライフワークとして行っていたようです。

スザンヌ・ラリック「散らかった」(油彩)
グレートーンの中のやわらかな色彩が美しいです。
おだやかで温かい感じがしますね。
アビランド社でのスザンヌの器たちには、彼女のセンスが存分に活かされています。
モダンだけども、やさしい雰囲気。
さりげない装飾性と実用性を兼ね備えたスザンヌ・ラリックのテーブルウェアは、ルネ・ラリックのグラスとの相性も素晴らしいですよ。
ぜひスザンヌの感性に触れてみてください!


















