2026.3/8.

ルネ・ラリックのカタログレゾネ

こんにちは。
アンティックかとうWEB担当の杉本です。
アンティックかとう / ギャルリーオルフェより新着品のご紹介や催事のお知らせをお届けいたします。  

今回はルネ・ラリックを語るうえで欠かせない「カタログレゾネ」についてご紹介いたします。
ルネ・ラリックのカタログレゾネ
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えらく年季が入った風貌の分厚~い本。こちらが、ガラス工芸の巨匠、ルネ・ラリックのカタログレゾネです。「レゾネ」とはフランス語で論理的という意味の言葉で、もともとは美術品の真贋根拠となるように作成された作品全集のことを指します。 
この本にはルネ・ラリックのすべてが網羅されており、その収録作品数はなんと3,700点!!!!この分厚さも納得のボリュームです。 



この本の著者、フェリックス・マルシラックさん。1941年パリ生まれ、アール・ヌーヴォーとアール・デコ美術の著名な研究者です。ルネ・ラリックのほか、エミール・ガレやドーム兄弟など、さまざまな芸術家に関する研究書を執筆。彼の著作は国際的に評価されており、美術展やオークションなどで公的な参照文献として扱われています。 

このルネ・ラリックのカタログは、10年にわたる研究と撮影、編集作業を経て、1989年に満を持して初版が出版されました。制作にはラリック社をはじめ、ルネ・ラリックの親族、ラリックとビジネスパートナーであった香水メーカーや自動車メーカー、世界各地の美術館やギャラリー、コレクター、日本の専門家の協力もたくさんあったそうです。 

カタログは大きく分けて3部構成で、1895年から1945年までのルネ・ラリックの生涯と経歴、作品の制作技法についての詳細な解説、そして全作品の図版と詳細が記載されたデータベースとなっています。 



作品はルネ・ラリックによる分類によってジャンルごとにリスト化。こちらは花瓶のページ。 



テーブルグラスもすべてのデザインがきちんと掲載されています。 

この本を作るためにいったいどれほどの労力がかかったのか…想像するだけで気が遠くなります。実は、トップ写真の緑の本は2011年発行の最新バージョン。1989年の出版からいくつかのバージョンが再発行されており、ルネ・ラリック作品を現代に受け継いでいく立役者的存在となっています。 



こちらは2004年バージョン。赤い表紙になっていますね。



そしてこれが初版!!黒いカバーに文字のデザインも現行バージョンと違っていてかっこいい。よく見ると表紙の作品も向きが変わっています。この表紙の「Le verrier(ガラス職人)」は、1925 年にパリで開催された国際現代装飾産業美術博覧会(通称アール・デコ博覧会)の工芸館の扉のためにルネ ラリックが制作したガラスパネルです。(ちょうどその100年後の今、大阪・関西万博が開催されていますね~。) 

実はカタログレゾネの情報は細かいところは初版と第二版、最新版とでは変わっていたりもします。膨大な数の作品が収められていますので、記載間違いや記録ミスは稀にあるようです。特にサイズは実際に測ってみると結構ちがうことも多々あります。ただ、カタログのサイズと違うからといって贋作という可能性はまずありません。ラリックは型ですべて制作されていますので、もしニセモノを作るなら型からすべて作らないと駄目で、技術的に不可能ですしまったく割に合わないからです。 

当ギャラリーの作品をカタログレゾネと共にご覧ください。


花瓶「ランピオン」 

カタログには番号が割り振られており、991番が付けられています。991番目の作品ということです。そして作品タイトルと制作年月日。成型方法や技法、サイズまで事細かに記載。そして最後の備考には何年まで作られていたか、さらに他に似たデザインの作品がある場合はそんな関連情報まで書かれていたりもします。


香水瓶「真夜中」 

香水瓶のページには販売されていた香水メーカーの名前と共にナンバリングされています。真夜中は「WORTH」から販売された1番目の香水瓶ということですね。サイズも大・中・小と3種類書かれていますね。 


グラスシリーズ「ファルスブルグ」 

グラスはシリーズ展開されており、カラフやピッチャーとグラスがセットでデザインされていることが分かります。グラスのサイズ違いもすべて記載、何用かまで書かれています。なんと6種類もグラスのサイズが作られています。 

ラリックをコレクションする上でなくてはならない、大助かりのカタログレゾネ。読み物としても非常に面白くて、こんな作品も作っていたのか!?とページをめくるたびに発見がありワクワクしてきます。そしてそんな驚きと同時に、あらためてルネ・ラリックの創造力の凄さを体感することのできる一冊です。ギャラリーでは作品と共にカタログレゾネもご覧いただけますのでぜひ眺めてみてくださいね。
ピックアップ!
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カタログレゾネと共にちょっとレアなラリックをご紹介。

花瓶「ブドウ」1928年
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花瓶の他、カクテルシェイカー用のケースとしても制作されているユニークな作品です。カタログレゾネを見てみると、シャイカーケース版には蓋も付いていますね。とてもしゃれたアイテムです。


ゴブレット「ブドウ」1920年
▷ 作品を見る 

同じく葡萄モチーフのグラスですが、カタログレゾネには「ゴブレット」のページで紹介されています。ゴブレットは、通常のグラスシリーズとは別にワンサイズのみ制作されました。図版には初期の試作品でしょうか?ガラスとは違う素材感の写真も掲載されていますね。


テイスティンググラス「聖オディール」1921年
▷ 作品を見る 

こちらのグラスはワイナリーの為に特別に作られた記念品で一般販売されていません。カタログレゾネでもオーダー品や高級グラスの特別なカテゴリー「VERRES」で掲載されています。


カクテルグラス「エドワード」1924年
▷ 作品を見る

鶏モチーフのこちらも特別なグラス「VERRES」のカテゴリー。生産数の少ないカクテルグラスで、アール・デコをイメージさせる黒いエナメルで彩られています。


カップ&ソーサー「カクタス」1933年
▷ 作品を見る 

ラリックのカップ&ソーサーはこの1点しか制作されていません。カタログレゾネを探し回ると「雑貨」その他のページに掲載されています。カクタスとはサボテンの意味で、たしかに棘のような突起がついていますね。
作品について購入希望・ご質問ございましたら、お気軽にフォームよりお問い合わせください。その他メールやお電話でも承っております。どの作品も一点もののアンティークにつき、店舗にて在庫数やコンディションを確認した後にご連絡をさせていただきます。在庫状況によってはお時間を頂戴いたしますが、どうぞご了承ください。

記事を書いた人:WEB担当 杉本

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