2012.7/17.

祇園祭 速報

今日、7月17日は京都の祇園祭りのハイライト、山鉾巡行が行われる日です。毎年、梅雨が開けるか、開けないかという時期なので、とても不安定な天気が続き突然の雨に備えて、鉾や山にビニールを掛けて巡行することが多いのですが、今年は昨日の宵山に続いて晴天の中の巡行となりました。もちろん、ビニールは全部取り外されたとても華やかな一日となりました。何枚か写真をご覧ください。

実は僕の住んでいるマンションもいわゆる鉾町なんですが、うちの町内が持っているのはこの蟷螂山です。屋根の上にカマキリが乗っているのがわかりますか?このカマキリはからくりものになっていて、かまを上げたり、羽を広げたり、くるくるまわったりします。このような細工物がある鉾や山はこの蟷螂山だけなんですよ。悪い縁を断ち切るという意味があるそうです。昨日の宵山までは提灯でかざられていたのですが、これは今朝の出発前のさいごの飾り付けの準備中にマンションのベランダから写した物です。屋根の上のカマキリわかりますか??横にいる男性がからくり師です。朝8時すぎに撮った写真ですが、このあとすぐに町内を出発しました。

いつもながら、四条通りはすごい人なので、9時の巡行スタートの時間を避けて、少し遅めに見物に行きました。

まずは僕の子供の頃から大好きだった船鉾です。この鉾だけは他のとは型がちがうので、なぜだか子供の頃から心引かれた鉾でした。この船鉾を見ずには帰れないとだだをこねるくらい、絶対に見に連れてもらったのをよく覚えています。

本当に船の形でしょ。舳先には金色の鳳凰、舵は螺鈿細工がほどこしてあります。

これは、鶏鉾。この形が一般的な鉾です。この鶏鉾は後ろの飾り、見送りに有名なゴブラン織が掛けてあります。うしろから撮ったものなので、それが見えます。このゴブラン織は、最近、新調されたものですが、オリジナルの物は16世紀のもので、前日の宵山には特別に展示されたものを見ることができます。ちなみにそれは、国の重要文化財になっています。

四条河原町の交差点では、この大きな鉾の辻まわしが行われます。鉾の車輪はまっすぐにしか動かないので、交差点で方向を変えるにはこの辻まわしが必 要になります。道路に細く切った竹を何本も置いて、その上に打ち水をして鉾と何人物の引き手が一気にひっぱり、車輪をすべらせて方向変換をするのです。大 きな鉾がギシギシを音を立てて角度を変えるシーンはいつみても迫力いっぱいです。おおきな拍手が起こります。

この鶏鉾の辻回しのシーンです。まず、道路に竹を置き、桶に入った水を撒きます。

そして一気に鉾を引き、竹の上を滑らせて方向変換します。

方向変換終了です。

 

これは鯉山。滝登りの鯉を龍に見立てて、登竜門という名で知られています。山の上には大きな鯉がお奉りしてあります。

この山のゴブラン織りも重要文化財に指定されるほど素晴らしい物です。やはり巡行の時は新調されたものですが、オリジナルはやはり16世紀にベルギー、ブルッセルで織られた物です。それを江戸時代に室町の町衆(呉服関係)が財にものいわせて輸入してこの山を飾り立てたのですから、それはそれは贅沢なお祭りだったのでしょうね。それをまた、原型どおりに新調するのにも、莫大なお金がかかるようです。すべて、町内の保存会がそのお金を調達していると聞きました。

南観音山。山といっても、鉾と同じサイズの大きな物です。お囃子連中も乗っています。

 

桜の花が印象的な黒主山。

 

東山を背景の多くの山鉾が並ぶ姿は壮観です。

まだ、12時前というのに、気温は36°を超えた猛暑でした。それでも、すごい数の観客で自宅からギャラリーに行くまで、今日は徒歩しかなく1時間半もかかってしまいました。汗だくでしたが、毎年、山鉾巡行を見ながらの出勤すると、京都に暮らす喜びをしみじみと感じます。 ts

 

 

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