2011.8/19.

お気に入り♪・・・by t.o

今回は、お店にある私の大好きなアイテムをご紹介します。

それは、このバカラのグラス。

 

 

 

 

一見すると、定番のオールドバカラのシリーズと変わりないのですが・・・

よ~く図柄を眺めていると、実にいろいろなモチーフがちりばめられています。

クローズアップの写真をじっくり見てみてください!

 

唐草模様の中に、シカ、ウサギ、イヌ、ツバメ、インコ、チョウチョ、トンボ・・・etc名前の分からない動物たちも。

そして、 花にまぎれて星マークがシカの頭の上でキラリと瞬いています。

これはもう、女子の大好きなものが満載です。たまりません。いつまでもニヤニヤしながら見ていられます。

極めつけは、この子・・・

カタツムリです!

しかもこのカタツムリは、グラスの大きさによって居場所が違うことに今回気がつきました。やっぱりこのグラスは何度見ても楽しいです。

ステムの長いフルート型の方は、写真の通り地面を這っておりますが、ゴブレットの方は、唐草の上に登っています。

同じパターンを拡大したり縮小している訳ではなく、きちんとグラスの大きさによってバランスを考え抜いているんですね。素晴らしいデザイナー精神を感じました。

 

せっかくなので、デザイナーについてもご紹介いたします。

このグラスをデザインしたのは、ジョルシュ・シュバリエ(1894-1987)という人です。ということは・・・93歳まで生きておられたんですね、ご長寿です!!

シュバリエは、バカラを語る上では無くてはならない存在で、アール・デコ期にバカラの新たなスタイルを確立しました。

1925年のパリ万博では、バカラとクリストフルが共同で制作したパヴィリオンの装飾を手掛けたりもしました。バカラの顔といっても良い様な仕事をする存在だったんですね。

今回ご紹介しているグラスには、たくさんの生き物が生き生きと登場しました。それには、納得の訳があったのです。

実はシュバリエは、バカラの中で初めて動物をモチーフとした作品を制作した人物でした。現代のバカラでも、動物のフィギアがたくさん出ていますが、そのルーツはシュバリエにあるようです。

なんだか、シュバリエの愛ある人柄が想像できます。。。工房の職人たちとも、とても良い関係を築いていたそうです。

 

こちらは、いまお店にあるその他のシュバリエもの。

これまでの懐古主義のデザインとは全く違うスタイルで、今みても刺激的。

最後に彼のクロッキーを図録から拝借いたします。

伸びやかで、ハッピーな作品ですね。

 

シュバリエのことを知る程に、ますますお気に入りになってしまいました。

by t.o

 

 

 

 

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