2021.8/28.

東京都庭園美術館 ルネ・ラリック リミックス展 レポート vol.1

少し間が空きましたが7月初旬に庭園美術館で開催されている

「ルネ・ラリック リミックス」~時代のインスピレーションをもとめて~の展示を拝見してきました。

東京都庭園美術館さまとは古くからお付き合いがございまして、展覧会の作品展示の協力をさせて頂きました。

基本的にすべて作品の写真撮影が許可されていましたので展示の様子を紹介させて頂きます。

庭園美術館というをまず目を引くのは正面玄関の大きなガラスパネル。

ラリックが旧朝香宮邸の為にデザインした大型のガラスパネルです。

お気づきの方もいらっしゃると思いますが、何枚か破損していたのですが、特に大きく割れていたパネルが交換されていました。

正面玄関ファサード

破損のあったパネルは室内の展示に移動していました。

展覧会の序盤、ラリックがアール・ヌーヴォー期に手掛けた珠玉のジュエリーの展示に圧倒されます。

チョーカープレート「ナルシス」 エナメル、金、ガラス

ペンダント「冬景色」 エナメル、真珠、金、ガラス

宝飾品に積極的にガラスを取り入れることで無限の可能性を開いた作品群。

ガラス工芸作家としてのラリックのキャリアは既にこの時代からスタートしていたのでしょう。

自然光を通して見られるジュエリー作品は今回の展覧会ならではかと思います。

ペンダント「トンボ」 金、透胎七宝、ダイアモンド、アクアマリン

尚、ジュエリーはラリックのデザインした天井燈の下でご覧いただけます。

眼前のジュエリーだけでなく、ぜひ目線を上げてご覧ください。

ラリックの手がけたテーブルウェア「ニッポン」、燭台「トウキョー」

大食堂の展示ルームにはフルーツモチーフの天井燈が。

常夜燈「ツバメ」 ほや「つむじ風」 1919年

テーブルセンターピース「三羽の孔雀」1920年

圧巻の迫力です。台座に電飾が仕込まれていて、点灯すると孔雀の陰影が閃光のように光ります。

2階へあがると展示モチーフが「古典の再生」へと変わります。

ラリックの作品群ではあまり多くは作成されていない男性モチーフの作品。

筋骨隆々としたボディラインがかっこいいですね。

殿下居室には書斎アイテムであるインク壷「雌鹿」、ブロッター「2人のシレーヌ」、灰皿「葉」の展示が。

北沢美術館秘蔵コレクション 花瓶「ナディカ」1930年 眼福です。

電動置時計「昼と夜」1926年

陰刻と陽刻を裏表から施し、昼と夜の陰影を見事に表現した作品。

ここにギャルリー・オルフェ秘蔵コレクションである、テーブルセンターピース「火の鳥」が。

弊社で展示する際は展示ケースに入れての展示がほとんどでしたので、自然光越しに見ると新鮮でした。

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