2013.8/5.

リスボン旅行紀4(グルベンキアン美術館4)

さていよいよクライマックス、ラリックの宝飾品のご紹介です。まずはグルベンキアン美術館の至宝3点のご紹介です。

まずはトンボのコサージュ。これは本当にコサージといえるのかと言える程巨大な作品です。

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おそらくラリックの制作した宝飾品の中で、一番有名な作品でしょう。それにしても不思議なデザインです。良くご覧いただくと、これはトンボじゃないんです。羽のある女性像を巨大な爪を持つ魔物のような生き物がくわえ込んでいるんですよ。なんとも恐ろしげなデザインです。女性の体は翡翠で作られています。羽はグリーンのプリカジュールでいかにも儚げにつくられいます。羽の紋にはブラックオパールとダイヤモンドが使われています。そして、羽は3カ所折り曲げられるように作られています。羽の形を微妙に変えて動きを出すことができるのでしょうか?手に取れないので知る由もないのですが、想像するだけでドキドキしてしまいます。

次も大型のコサージュ、蛇。9匹の口を大きく開けた蛇が絡み合うやはり、おどろおどろしい作品です。

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まるで、メデューサの役を演じるサラ・ベルナールの為につくられた作品のように見えます。この作品にはあえて宝石を使わずに、18金と七宝だけを使用しています。

そして最後に雄鶏の髪飾り。この作品は5年前に東京の国立新美術館で行われたラリック展に特別出品されていたのをご記憶の方も多いと思います。

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雄鶏の口には大きなアメジストが銜えられています。顔などが怖いくらいにリアルです。こんな髪飾りをつける女性っていったいどんな人なんでしょうね??

その他にも印象に残った作品をご紹介させていただきます。

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クジャクの大型チョーカー。オパールのカボッションが印象的です。

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ランの髪飾り。まるで鼈甲のように見える牛角と象牙のコンビネーションがとてもオリエンタルな雰囲気を醸し出しています。

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二人の裸婦のブローチ。緑色ガラスで鋳型から制作されています。ダイヤを散りばめた鳥の脚の爪のように見える地金細工がなんとも不思議なデザインです。ガラス工芸作家として転身していく未来を予言するかのような、大きなガラスピースをメインにした宝飾品です。

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男女のカップルのブローチ。象牙で掘られた人物の立体感がすごいです。

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壁面のケース全体をお見せすると、こんな風です。大きなケースにいっぱい入っているので、それぞれの作品の印象がちょっと薄く感じられるのが残念です。トンボのコサージュや雄鶏の髪飾りのようにひとつづつ、小さめのケースで展示されていたら、もっと味わい深いものになったのではないかと思います。いつまでもここで眺めていたいと感じた立ち去りがたい展示室でした。 ts

 

 

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